すると不意に誰かに手を掴まれたのですいえ正確には手を掴まれて後ろに引っ張られたような気がしましたぞそんな気がしただけですだってこの場には私以外誰一人としていないのですからその後麓の家まで戻った私は玄関前で待ち合わせをした。
祖父は無視して台所で晩ご飯の準備をしている側にふと気になった山の中の祠について尋ねてみましたというのもあの祠のある辺りにはあまり近づかないようにと普段から聞かされていたからです厳しい祖父にそのことを話せばきっと祠の話の代わりにお説教を聞かされることでしょう。
その後は山へ入ったことを咎めるでもなくケラケラと笑って祠の由来を教えてくれました昔と言っても遠い昔のことではなく戦後すぐくらいの頃まだ6に道も整備されていない山の中で一人の女の子が行方不明になりました麓の街では大人たちが集められ山狩りまで行われましたが結局女の子は見つからなかったのだそうです